2017年12月12日火曜日

夜の違法漁業摘発


この日の調査も無事に終えたのですが、

既に暗くなり始めていて

ここからまだ町までは4時間ほどかかるため、

最後の町でヘッドライトを一つ買って帰り始めました。

エンジン全開で進むので水中に太い木があったり、

船があると大事故になっちゃうので結構怖いです。


実際にどのくらいのスピードが出ているかというと、

そんなに早いわけではないのですが、

1-2日目の船の小さなエンジンで時速約24キロがマックススピードで、

この日の車エンジンでも時速35キロがマックスでした。


十五年ほど前にメコンで70キロくらいの区間で乗った

ボートは時速60キロくらい出るやつだったので命がけでした(汗)

その時は全員ヘルメットかぶって伏せてないといられないくらい爆風が来ます(笑)。

その時のは相当デカい車のエンジンでした。

もうあれには乗りたくないです(笑)


そして、走る事2時間ほどした頃、

手元のGPSには来た時のルートが表示されていて

それに沿って進んでいたのですが、

ここで道を外れて進んでいきます。

道が違う事を知っていたので

それを伝えたのですが、

おじさんは言う事を聞かずに進むんです・・・

そしたら、とうとう水深10cm程の広い場所でストップしちゃいました(笑)

よく見ると、そこは水田でした(笑)

50mおき位に土の段(山)があるんです。

それは水田の畔でした。

それでも、おじさんなりのスタイルで藪の中に突進したりしながら

ショートカットして何とか元の道に戻ったのですが、

また広い場所で止まったんです。

すると、おじさんは裸になって水の中へ・・・

何をするのかと思ったら、

定置網を見つけてはナタで網をズタズタに・・・

水産局の職員に聞くと、これもイリーガルだとか。

このおじさんの正義感に脱帽です。

きっと、普段やりたくてもできないんでしょうね。

今回は船にカンボジアの国旗を掲げて

プノンペンから来ている職員が同行していることもあり、

おじさんもここぞとばかりにやっているのでしょうね。


そして、さらに進むと、今度は幅10mくらいの水路を進んでいたのですが、

目の前に竹を編んで作った仕切りと魚を採るトラップが

仕掛けられた場所でボートが止まり、

またおじさんがブツブツ言いながら水の中へ・・・


すぐわきに民家もあり、

その家のお父さんと思われる人が近くにいたのですが、

その人もなすすべもなく、

おじさんが仕切りを引き抜き、陸に捨て、

魚やエビが入ったトラップカゴをすべて回収しちゃいました。


これまでカンボジアには漁業に関する法律がある事は

知っていましたが、

その規制がどれだけ国民に浸透しているのか?

それを遵守するヒトはどれだけいるのか?

そのあたりは疑問がありましたが、

こうして正義を貫く人がいる事を目の当たりにしてみて

まだカンボジアも捨てたものではないな!

という思いがこみ上げてきました。



今回は調査そのものも勉強になりましたが、

それとは別にフィールドで学ぶことって本当に多いと改めて

実感させてもらった調査となりました!!


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