2017年12月12日火曜日

違法漁業摘発1


これまでにも書いてきましたが、

今回は直接魚を採集する調査ではなく、

DNA用の採水調査だったので、

なかなか魚と接する機会がなかったのですが、

思いがけない事がきっかけで魚と出会うことができました。


ここは広い氾濫源に広がる水田地帯で

今はご覧の通り腰から胸くらいまで水位があります。

そして、この時期は村々の漁師さんたちが移動のために使う

航路でもあるんです。

そんな場所に定置網がたくさん設置されていたんです。

この定置網は琵琶湖にあるエリ漁と同じような網で、

ここの網は一番長いところでも50m程とそれほど大きくはありませんが、

そんな網が見渡す限りに設置されており、

船も通れませんし、川とトンレサップ湖をつなぐこのエリアに

網があると魚が移動できず、

みんなこの網に入ってしまい、

周辺の漁師さんたちが困っていたそうなんです。


そこで今回僕らの調査では水産局職員が数名関わっていたため

この定置網を違法漁業と判断し、

ナタを使って網を切断して破壊してしまいました。

写真のおじさんは地元の漁師さんなので

ものすごく怒っていて、

ビリビリに網を破いていました。


あとで聞くと、

これはカンボジア人がやっていいる網だというとこでした。

おじさんはこの網の上流に住んでいるので

これのお陰で魚が行き来できず

自分たちの漁に影響していると主張しているんです。

確かにカンボジアでは

それぞれが自分のために規則を無視して

利益を求めるという行動が多く、

水産の現場でもそれはごく普通に起こっているのが現状です。

ただ、それを良しとしない方々がいる事が

大切でそのバランスが良い状態になる事を願いたいですね。

生きもの相手の問題だと

生きものたちに大きく影響しちゃいますからね。





次回はその違法定置網で採れた魚を紹介します。


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