2017年3月7日火曜日

メコン調査視察(なれずし)


市場を散策した際に

琵琶湖に伝わる鮒ずしっぽいやつを見つけました。

でも、これは残念ながらお米を使っていないので

フナ寿司とはまた違う発酵食品でした。


これまでに読んだ本によると、

お米を使っての魚の発酵食品は

どちらかというと北方エリアに広がった文化だそうで、

東南アジアのような気候にはあまり適していないとか・・・?


とはいっても、

魚を使った発酵食品はいろいろあり、

その多くは塩漬けによるもので

フナ寿司の最初の処理方法と同じ塩辛(魚醤)つくりから始まります。


塩辛(魚醤)にしたものをカンボジアではプラホックなどと呼ばれ

小型のコイ科やグーラミーを使って作られることが多く、

ペースト状になった塩辛を保存して

調理に使用しています。

この塩辛を煮詰め、上澄み液をとり出したものが

タイで有名なナンプラーや

ベトナムのニョクマム、

カンボジアのタックトライと呼ばれるような魚醤油です。



昔は乾季が始まる12月頃からトンレサップ川岸で

湖からメコンへ下るトライリエルという小型のコイ科の大群を採る漁が盛んにおこなわれ、

内陸部の農村から牛車に乗った家族が大勢川岸に集まり、

彼らが作ったお米を持ち込み、

漁師と交渉して魚醤の原料となるトライリエルとお米を交換して

家族総出で寝泊まりしながら

魚のウロコや内臓を取り除き、

塩漬けにする作業を川辺で行う光景が広がっていたそうです。

彼らは一年分の魚醤をその時期に作って村へ戻っていたそうです。

まさに

農民と漁民の接点のひとつが魚だったんですね。

そんな光景も年々減り、

今ではほとんど見られないそうです。

物流が進歩したり

若い世代が発酵食品を好まなくなっているのも

その原因の一つだそうです。

まだまだ昔ながらの生活が残っているカンボジアですが、

失われている文化もきっと多いようですね・・・




さて、

魚醤、魚醤油共にうま味成分が多く含まれているので

日本人には特にうまい!と感じる味です!

この写真の魚を見ると、

実は結構大きなバルブ(コイ科)を使用しています。

そこが今回の嬉しい出会いでした(笑)

先ほども紹介した一般的な魚醤は

小型種を使うのですが、

昔読んだ本によると、

王宮の宮廷料理には大きな魚の魚醤が使われたそうなんです。

その一文がずっと頭の中にあったので、

この魚を見た時に『おおっ!』と思っちゃったんです。


きっと地域や作り手によっては今も

多様な魚醤が密かに作られているのでしょうね。


今回の魚醤は塩とニンニクを主にして漬け込んだものでした。



魚醤は魚に関わる人の文化の一部なので

やっぱり見逃せないです(笑)


メコン!謎はまだまだあります!!


0 件のコメント:

コメントを投稿